GWの大阪道場感想

こんにちは、九州支部メンバーのリョービンです。

GWに開催された大阪での道場の感想を書きたいと思います。

 

さて、今回の緊急事態要項の議論は、9条の問題と、かなり構造的に似ていると思いました。

日本国憲法第9条では、戦力を保持しないとなっているにも関わらず、事実上の戦力である自衛隊が存在しています。

そして、戦力不保持を謳っている憲法には戦力に対する規定が当然のことながらないため、自衛隊の権限をどこまで認めるのか、何ができて何ができないのかは、時の権力者が解釈で判断できるようになってしまっています。

 

同じように緊急事態要項についても、現憲法ではこの規定がなく、ただ「公共の福祉」という言葉があるのみです。

この、曖昧かつ人によって好きに解釈ができる文言によって、権力者が好き放題に人々の権利を制限できたりしています。

しかしこれでは今回のコロナのように不当な権利侵害が起きる恐れがありますし、どんなに我々が自由を求めた所で公共の福祉の名の元で一蹴されてしまいます。

また、憲法改正せずに解釈で済ませた方が、護憲派の反発もなく、また政権としても憲法を気にせず好きに制限等ができるので、与野党共にこのやり方が都合がよいのだろうと思います。

宇野さんが指摘されていたように、まさに「攻略されたゲーム」ですね。

 

しかしながら、やはり、どういう状況で、どんな制限なら権力は行っても大丈夫なのか、きちんと憲法に明記し、権力がこれに違反した場合はそれを司法が指摘できる仕組み作りが重要と思いました。

でないと、権力の無制限の暴走を許してしまう危険性があります。

 

最後議論になった、日本は法治国家にあらず、という現状ですが、これは結局のところ、

キリスト教の一神教の価値観から発している社会の仕組みを、いかにして神道や仏教といった多神教の社会に適合させていくかという、おそらく近代以降日本が常に抱えてきた問題の一端ではないかと思います。

これはとても難しい問題で、今までの道場でも最終的にこの問題に突き当たっていることが多いように感じます。

 

 

日本ではキリスト教がなかなか広まらなかったように、所詮日本人は日本の伝統的な価値観から脱却することはなかなかできないわけですから、いかにして日本の価値観をいい方向に持っていくか、適合させていくか、を模索し続けていく必要があると感じました。