ウクライナでの戦争についていろいろ考えてみた

九州支部メンバーのリョービンです。

 

ウクライナで戦争が始まってから、もう一か月ですね。

ウクライナ国民の強さには本当に感激しますが、それを実感すればするほど、アメリカの核の傘に守られてのほほんと生きている我々日本人のありさまが悔しくてなりません。

 

今回のウクライナでの戦争について、少し地政学的に考えてみました。

確かに今回のロシアの侵略は絶対にやってはいけないことで、どんな理由があろうとも正当化はできません。

しかし、今回の紛争のそもそもの原因はロシアではなく、NATOの東方拡大だと思います。

NATOが余計な縄張り拡大をしようとしたからこうなっているのではと思います。

 

地政学的にウクライナはロシアの縄張りです。

歴史的に見てもロシアとの接点は多いし、宗教もロシアと同じ東方正教会です。

だから、本来NATOはウクライナに足を踏み入れてはいけないのです。

少なくとも、どちらにも属さない緩衝地帯であるべきです。アジアでいう朝鮮半島みたいなところですね。

実際、ロシアはウクライナに対して中立化を強く求めています。

プーチンは「NATOの東方拡大はロシアへの侵略だ」と主張しており、そう言いたくなる気持ちはすごーくわかります。

もちろん、「軍事同盟の拡大」自体は侵略でも国際違反でもなんでもありませんが、逆にそういうルール違反にならないレベルでNATOがロシアに圧力をかけるのはずるいなあと思います。

だから、個人的には、ウクライナで戦争が始まった時、NATOは何やっとんねん、と思いました。

 

では、そのような地政学的な状況も踏まえて、ウクライナはNATOに加盟すべきではなかったかというと、それはまた別問題です。

どのような理由であれ、ウクライナがそう決めたのだから、それは尊重されなければならないでしょう。

そして、どんなに相手がその原因を作ったとしても、ロシアの非人道的な侵略は絶対に正当化されません。

というか、地政学という学問自体が、大国がいかにして自分たちの勢力を維持し拡大するかという視点で語られるので、小さな国はただの戦略上の駒でしかなく、そもそも無理があるのも歪めません。

(最近の報道をみると、結局ウクライナはNATO加盟を放棄し、緩衝地帯としての役割を担うようになりそうですが。)

 

今回の戦争のきっかけとなったウクライナのNATO加盟について、ゼレンスキー大統領も、ウクライナ政府も、それによってロシアが軍事的な圧力を強めてくることは、クリミア危機の経験もあり、ある程度覚悟していたと思います。

それでも、ウクライナはNATOに加盟する道を選んだわけです。それは、NATOの軍事的な背景をもとにロシアと対等に渡り合いたいという思惑があったのかもしれません。

繰り返しになりますが、理由は何であれ、それはウクライナが決めたことなのがから、その決定は尊重されなければなりません。

そして、その決定をロシアは覆すことはできないし、ましてや軍事力で屈服させようなんてことは絶対にあってはなりません。それが許されたのは帝国主義の時代までです。

それが通用するなら、結局軍事力が強い国の一人勝ちになってしまいます。

ロシアにとってどんなにウクライナのNATO加盟が嫌でも、それは承認するしかないのです。

それが、独立した主権国家同士のあるべき姿です。

 

今回の戦争で、ウクライナはその決定が決して生半可なものではない、相当な覚悟の下で行った選択であったことを証明しています。

と同時に、ロシアに対して粘り強く抵抗することで、国家の独立を守るためには何が必要なのか、私たち日本人に問いかけています。

それは、単純に「やっぱり戦争はよくないよね」という感覚ではもちろんありません。

(残念ながら、そういった曖昧模糊とした感覚で「ウクライナでの戦争反対!」を叫んでいる日本人が多くいるのを感じます。)

もちろん戦争はあってはならなりませんが、じゃあそのためには何が必要なのかというのを、真剣に考えている日本人はどれくらいいるでしょうか。

そのことについて、きちんと考えなければならない時機に来ていると私は思います。